JR九州 『ななつ星』成功の立役者が語る新規事業のつくり方

1987年に発足した当初、本業で大赤字を抱えていた九州旅客鉄道(JR九州)。しかし、鉄道の改革に加え、多角的に収益基盤を拡大することで成長し、2016年には上場を果たした。数々の新規事業を成功に導いてきた唐池会長に、アイデア発想の方法論、経営の信念を聞いた。

唐池 恒二(九州旅客鉄道(JR九州)代表取締役会長)

ーーー唐池会長は、小売りや外食、農業など、鉄道以外のさまざまな事業の拡大を牽引されてきました。新しいビジネスのヒントはどこから?

唐池 私の場合、面白そうなものを目にすると、すぐに頭に入るんです。大切なのは、気づきが多いかどうか。しかも発見するだけでなく、大げさに言えば感動しないといけない。

感動すると、自分でもやりたいと思うから実行に移す。「こんなもんか」では、行動につながりません。

そして実行するには、お客様を含めて、周りの人をその気にさせなければならない。そこで必要になるのは、夢を語ることであり、「伝える力」です。伝える力のベースとなるのは情熱。本気になって何が悪い、です。

私が好きな話で、1956~57年頃、日本にスーパーマーケットが無かった時代、日本の小売店の親父たちが米国の流通事情の視察に行った。米国でスーパーマーケットの活況を目にしたわけですが、帰国して実際にやったのは、ダイエーの中内功さんなど3人だけでした。

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