ICT利活用でまちの発信力を向上 地域の良さをアピール

訪れた人をもてなし、情報を発信してもらい、訪問者を増やす。継続的に誘客送客を可能とする広域でのネットワーク化が、観光客や住民を巻き込んだ、地域の好循環を生み出し続ける。

大野 元嗣(シスコシステムズ 公共・法人事業 事業推進本部 地方創生推進担当 部長)

広い視点で考える

シスコシステムズは、ネットワーク機器やWi-Fiアクセスポイント、ネットワークセキュリティ分野で50%を超えるグローバルシェアを持つ世界シェアNo.1の企業である。全世界25か国で70を超えるスマートシティに関わるプロジェクトに参画している。

「まちの発信力を高めるためにも、ICTの利活用が重要です。同時に『仕掛学』や『サービス工学(観光工学)』の手法を用いてICTネットワークを構築することも重要なポイントになります」とシスコシステムズ公共・法人事業 事業推進本部 地方創生推進担当部長の大野元嗣氏は語る。

さらに、大きな視座でサービスを考えること、サービスとサービスをつなげるネットワークを意識すること、産官学の取り組みや地場のスタートアップ企業との協業といった視点を持つことも、継続的なまち作りには重要と考えている。

ネットワークを広げる

ICTを活用した情報発信で、コストをかけず容易に実現できるのがSNS活用だ。「Facebookなら無料で簡単に作ることができます。多言語にも対応でき、観光地や飲食店、サービス業では、ここからスタートするのも一案です」(大野氏)。

Facebookの最大の利点は、口コミでリピーターを増やせること。さらにFacebookWi-Fiの仕組みを使えば、チェックインボタンを押すと無料でWi-Fiが使えると共に、場所の情報が友達に拡散され、さらに、訪れた人の属性情報を取得できるため、オーナーがその後のサービス改善に役立てることができる。他にもInstagramなどの「ハッシュタグ(♯)」を活用しユーザーの投稿がデジタル・サイネージに表示されるサービスを活用しながらSNSによる誘客の仕組みとして広く導入され始めている。

一方、「インタラクティブ/ネットワーク・サイネージ」は、離れた場所にあるサイネージパネルをネットワークでつなぎ、1つの場所を訪れた人に近隣の情報を届けることで、同時に複数の場所に送客ができる仕掛けを提供できる。

インバウンド誘客では、多言語対応も必要になる。ネットワークをつなげることで、例えば観光地やホテルに設置された端末から在宅の多言語対応コンシェルジュにコンタクトし、きめ細かな現地情報やアドバイスをもらえるサービスも実現できる。

「これらのシステムは、ネットワークにつながる事でデータ取得をし、『人のIoT』としてタッチポイントや動線・活動履歴を統計情報として蓄積し分析することで、PDCAを回し最適化していくことが可能となります」(大野氏)。

自治体との連携においては、京都府と共同でインタラクティブ・サイネージやWi-Fiを用いた観光客周遊を促進しているほか、北海道ニセコ町ではバスロケーションサービスやフリーWi-Fiサービスなど、日本全国で様々な取り組みを進めている。

大野氏は「まちの中、まちとまちをネットワークでセキュアにつなぎ、広域観光ルートのネットワークを構築していけば、リアルタイムに人と人をつなげることが可能となり、まちの発信力が高められ、その魅力をより多くの人に届けることができるのです」と明言し、今後もそのための企画支援を続けていくと語った。

 

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