三重県知事、新産業と人づくりで新しい豊かさを創出

「よそ者」であった鈴木英敬知事は、古くて新しい三重県の魅力を再発見し、新しい豊かさを享受できる「幸福実感日本一」という独自の旗印を掲げた。他県と競うのではなく、補完関係となることを意識した戦略は、新事業創出を通じた県内経済の活性化や暮らしの充実に磨きをかけている。

鈴木 英敬(三重県知事)

ーーー平成24年に策定された「みえ県民力ビジョン」の中で三重県の基本理念として「幸福実感日本一」を表明し、数々の施策を実行されています。

鈴木 私は父方の本籍地が三重郡菰野町ですが、出身は兵庫県で大学からの13年間は東京暮らし、経済産業省を退官して初めて三重で暮らすようになりました。他県から移り住んでみると、この地域は温かい包容力をもつ風土に培われ、豊かな自然、おいしい食、ぬくもりのある人々をはじめとする、日本の素晴らしいもの、心を豊かにするものが満載だと実感しました。

しかし、三重県の人にはそれが当たり前すぎて、故郷のそういった幸せや稀少資源に気づいていないと思えたのです。そこで変化の激しい今だからこそ、未来に夢や希望を持ち、確かな幸福を実感しながら様々な事に挑戦してもらいたいという思いを込め、県の基本理念に「幸福実感日本一」を掲げ、「みえ県民ビジョン・第一次行動計画」をスタートさせました。おかげさまで県民意識調査1万人アンケートによると、毎年、幸福指数は上昇しています。

ーーー平成28年の「第二次行動計画」では、「幸福実感日本一」を実現するために、「新しい豊かさ」を目指す方針を打ち出されています。

鈴木 今、日本は本格的な人口減少を迎え、地域によっては過疎化が進み、都市部も子育てや介護に対する課題が多く、先行き不透明な時代だといわれます。しかし、こんな時だからこそ、県民一人ひとりの「新しい豊かさ」が原動力になると私は思いました。

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