観光庁、宿泊業の「経営者」育成を本格化 新カリキュラムを確立
成長が期待される観光産業にあって、宿泊業は中小規模の事業者が多く、労働生産性も高くはない。宿泊業の経営力を高めるため、観光庁は新たな施策を展開。産業界のニーズに合致した「経営人材」の育成を進めている。
インバウンド(訪日外国人)市場が拡大する中で、地域経済における「観光」の存在感は高まっている。しかし、宿泊業の生産性は高くはないのが実態だ。労働生産性(従業員1人当たりの付加価値額)を比較すると、全業種平均502万円に対し、宿泊業は256万円(2012年、総務省調査)にとどまる。
観光庁観光産業課課長補佐の山内将平氏は、宿泊業の労働生産性について、「資本金が大きい事業者に限れば、他の装置産業(陸運業、小売業)と比較しても遜色ない水準です。しかし、資本金1000万円未満を見ると、宿泊業の生産性は極めて低くなっています」と語る。
宿泊業の施設軒数を見ると、従業員30名未満の小規模旅館が9割を占める。そうした旅館は、親から引き継ぎ、個人の努力や経験に頼る属人性の高い経営が行われていることも多い。
日本では、観光経営を体系的に学べるカリキュラムが確立されておらず、それは現場を支える実務人材だけでなく、グローバルな活躍が求められるトップ人材にとっても課題となっている。
こうした状況を打開するため、観光庁は今、観光業の中でも特に宿泊業をターゲットに、人材育成の新たな施策を進めている。
観光MBAでトップ人材を育成
観光庁は、人材育成の施策を、以下3つの層に分けて進めている。
- ・観光産業を牽引する経営人材
- ・地域の観光産業を担う中核人材
- ・即戦力となる実務人材
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