2017年2月号
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地域プロジェクトのデザイン

グッドデザイン60年の歴史に見る 「地域×デザイン」

月刊事業構想 編集部

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2016年度で60年を迎えたグッドデザイン賞は、戦後日本のデザインの歴史である。社会情勢や国民の価値観とともに変遷し、工業製品から建築、空間、プロジェクトにまで対象領域を広げてきたグッドデザイン賞。その歴史から「地域×デザイン」を分析したい。
文・矢島進二 日本デザイン振興会

 

地域との関係を軸にスタート

グッドデザイン賞は、1957年の設立当時から「地域社会とデザイン」との関係を強くもって実施してきた。戦後の復興を促すべく、通商産業省(現経済産業省)や産業工芸試験所などが地場産業製品の「輸出促進」を掲げ、そこに「デザイン」を導入した。そのため、通商産業省の「貿易局」の中に「デザイン課」が新設され、グッドデザイン賞(当時の名称は「グッドデザイン商品選定制度」)をはじめとしたデザイン行政がスタートした。

1960年代前半、国内には大企業はまだ少なく、江戸時代から続く手工業品や、軍需関連から生まれた民生機器、町工場から発展した地域企業の製品が多数を占め、グッドデザイン賞においても「繊維部門」「陶磁器部門」からの受賞が多数を占めていた。

その中には、現在においてもグッドデザイン賞の代表例の一つと言える、白山陶器の「G型醤油差し」がある(1961年受賞)。同社の陶器は長崎県の波佐見焼であるが、クラフト的な「作品」ではなく、中量生産を目指した「商品」であり、「工芸」ではなく最初から「デザイン」を志向した画期的なものであった。他にも新潟や埼玉の金属メーカーなど、1960年代の受賞企業は全国各地の地域企業が多数を占めていた。

白山陶器「G型醤油差し」(1961年)

生活の質や社会課題に向き合う

1970年代になりデザイン政策は、輸出重点主義から国民生活の質的充実へと転換する。日本の企業や経済も急成長し、グッドデザイン賞も産業界に定着していく。1980年には「グッドデザイン大賞」「部門賞(現在の金賞)」「ロングライフデザイン賞」が創設され、現在の賞体系の原型ができた。そして、1984年には全ての工業製品を対象にするよう拡大し、受賞数も現在同等の1,300件となった。

さらに、1985年以降は「福祉商品賞」「インターフェイス賞」「景観賞」、さらに1990年代には「エコロジー賞」などを追加。

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