2016年11月号
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商店街・復活の新アイデア

元外資系金融マン、まちに新風 「経営の視点」が地域を変える

加戸 慎太郎(まちづくり松山 代表取締役社長)

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松山を活性化するのは、株主に配当を出す異色のまちづくり会社。社長の加戸慎太郎氏は、外資系金融会社を経て地元に戻り、商店街から地域全体へと活躍の場を広げ、「まちの経営」でその手段を発揮している。

銀天街・大街道のメインストリートには、複数の大型ビジョンが設置。映像による情報発信も、まちづくり松山の主要事業となっている

愛媛県松山市の中心地には、大街道と銀天街という2つの商店街がある。週末ともなると、若者、家族連れ、中高年など年代を問わず多くの人が集まっている。

地方都市の商店街が軒並み苦戦する中、スムーズに歩くためには左側通行を心がけねばならないほどの賑わいに、正直驚かされる。

特別な店が並んでいるわけでも、最新のアーケードにつくり直しているわけでもないが、松山の人は商店街を歩くのが当たり前だと思っているように見える。まちと人の心がつながっているのだ。

この松山市中心部の賑わい創出に大きな役割を果たしているのが、「株式会社まちづくり松山」である。きちんと利益を計上し、株主には配当金を出す異色のまちづくり組織。その社長であり、さまざまな地域振興組織でリーダーを任されている加戸慎太郎氏は、松山のまちづくりを牽引するフロントランナーだ。

まちづくり松山の収益源の一つが、広告事業。商店街の吊りポスター、横断広告などで収益をあげることで、持続的な事業展開を可能にしている

商店主たちに突きつけた「現実」

加戸氏は1982年、銀天街に店を構えるアパレルショップの次男として生まれた。2005年に大学を卒業した後は、外資系金融会社の法人営業部門に所属し、新規口座開設件数でNo.1になるなどの活躍をしていた。

転機となったのは2009年。リーマンショックにより自分の仕事の環境に転機が訪れたことと父親の大病が重なり、家業を優先することを決断して松山に帰ってきたのだ。その時には、松山のまちづくりに関わることは考えてもいなかったという。実のところ、家業の整理も視野に入れての帰郷だったからだ。

「2年程度で店をたたんで、東京に帰るという筋道が頭の中にあったんです」

そのプランが消えたのは、生まれ育った商店街への危機感から。経済が縮小していく中にあっても、商店街の店主たちは「そのうち何か手を打たないといけないだろうけど、まだまだ大丈夫」との楽観を持っていた。

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