2016年9月号
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プロジェクトニッポン 島根県

定住者を呼び込む、日本一の子育て村

石橋 良治(邑南町長)

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広島との県境、中山間地に位置する自然豊かな邑南町。UIターン者が急増する町として、注目を集めている。それは、町をあげて独自の定住促進策に取り組んだ成果だ。

自然が豊かな邑南町。盆地の中に位置し、「日本のスイス」とも呼ばれている

―人口約1万1000人の邑南町(おおなんちょう)は、UIターンによる定住者が増加していることで、注目されています。地域間の人材獲得競争が激化している中で、UIターン者を増やすことができた要因について、どう見ていますか。

石橋 邑南町は2011年度に「日本一の子育て村構想」を打ち出し、積極的な子育て支援を行ってきました。それが功を奏しているのだと思います。

背景には、2010年の国勢調査において、邑南町の人口が直近の5年間で1000人弱も減っていたことがあります。これ以上、人口が減ると邑南町が消滅してしまうという危機感を、私だけでなく職員を含め、全員が持っていました。

人口の増減には、2つの要因があります。出生・死亡による「自然増減」と、他の地域からの転入・転出によって生じる「社会増減」です。当時の邑南町の人口減の内訳を見ると、転出による「社会減」も多いことがわかりました。

「自然減」は、一朝一夕には解決しませんが、UIターン者を増やすことで「社会増」は実現できます。そのため、若い方に移住してもらうための定住促進策に力を注ぐことにしたのです。

住民の方々に聞いたところ、若年層が課題に感じていたのは、子育ての経済的負担でした。保育料も高いし、医療費も高い。それなら、どこにも負けないほど、そうした負担を和らげようと打ち出したのが、「日本一の子育て村構想」です。

石橋 良治(邑南町長)

子育て支援メニューを網羅

―「日本一の子育て村構想」では、具体的にどういった施策を展開されたのですか。

石橋 目玉の施策は、「2子目から無条件で保育料の全額無料」、「中学校卒業まで医療費無料」の2つです。保育料について、他の地域で「第3子以降」を無料にしているところはありますが、「第2子以降」にしたのは、全国でも先駆的でした。

その他、多岐にわたる子育て支援メニューを短期間で揃えました。「日本一の子育て村構想」の策定にあたっては、医療や保健、福祉、就労、教育、生活環境など、関連する部署をすべて集めて本部をつくり、どんどんアイデアを出させました。

そして、考えられる施策をすべて網羅し、実行に移していったのです。どこかが欠けてもダメで、生活全般の支援をしっかりと整備したことが、邑南町の強みになっています。他の二番煎じではなく、いち早く「日本一」と打ち出したことで、大きなインパクトを持ちました。

私は、2004年の町長就任時から「女性と子どもが輝く町」を公約に掲げていました。「日本一の子育て村構想」の以前から、不在だった常勤の産婦人科医を招き、妊婦健診を16回まで無料にするなど、女性や子どもを大事にする施策を進めてきました。そうした下地もあって、子育て支援の充実に、みんなの意識を集中させることができたのだと思います。

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