金属加工から「紙」加工へ 群馬県ものづくり企業のチャレンジ

国内産業の空洞化に苦しみ、廃業も増える群馬県の中小企業のなかで、蔵前産業は、金属加工分野で培った技術を活かし、「紙容器」というユニークな市場に参入。業績を伸ばしている。

蔵前産業の紙容器。金型技術を応用して未知の市場に飛び込んだ

1枚紙から容器を成形

自動車や業務用機器の製造大手が工場を構える群馬県には、その下請けとして金属加工や鋳造などの基盤技術を担う中小企業が集積している。しかし、グローバル化による生産拠点の海外移転も進んでおり、産業空洞化が懸念されている。

そんななかで、金属加工技術を応用して、紙容器というユニークな市場に参入、業績を伸ばしている企業がある。前橋市に本社を置く蔵前産業だ。

同社は金型加工や精密部品加工を得意とし、現在はCTスキャンやX線などの医療機器の駆動部品製造が主力事業。さらに宇宙・航空分野にも参入し、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」やボーイング787の部品も手がけるなど、技術力の高さには定評がある。

新規事業として注力している紙容器ビジネスは、1枚の紙に圧力と熱(追加)を加え、金型で凹状に加工して立体的な容器を成形・量産する事業。蔵前産業は、金型やプレス成形のノウハウを活かし、三次元形状で、70mmという他社では実現不可能な深さの容器を製造し、土産物やノベルティなどで受注を伸ばしている。

布容器や和紙容器も開発中で、和菓子容器などで引き合いが増えている

金型に加えて成形機も自社開発

紙容器事業のそもそもの始まりは、パッケージメーカーからの「紙容器用金型をつくってほしい」という依頼だった。試行錯誤のうえ金型を開発したものの、すぐに壁にぶつかった。「紙容器用金型は摩耗や破損が少なく、量が出ない儲からない仕事でした。そこで、金型だけでなく実際の容器量産も自社で手掛けようと考えたのです」と、紙容器事業を担当するExplo事業部長の大原康弘氏は振り返る。

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