金融業界にとどまらない、フィンテックの波及力
IT技術を使った新たな金融サービス、FinTech(フィンテック)に注目が集まっている。政府も規制緩和などのフィンテック推進策に乗り出した。その狙いや今後の見通しを、FinTech推進議員連盟の会長で衆議院議員の平井たくや氏に聞いた。
なぜフィンテックが重要なのか
安倍政権は、2020年までに日本のGDPを600兆円に上げるという目標を掲げている。2015年の実質GDPは530兆円。少子高齢化で人口減少過程にある日本が、大きな借金を返しつつ、国の財政レベルを健全化しながら成長するとしたら、カギとなるのがGDPの7割以上を占めるサービス産業である。しかし、「サービスレベルの向上や利便性といった面で、日本の金融業界は海外に比べて遅れている」と平井氏は指摘する。
「インターネット後の企業の生産性は明らかに高く、デジタル化とグローバル化に対応しているので、それらを取り込まない限り日本の成長戦略は描けません」
しかし現在日本ではフィンテックへの投資額は少ない。ITベンチャー等のバンクプレーヤーと金融機関との連携協働の動きが見られる欧米の状況に比べて、日本ではこのような有機的な対応が遅れており、2014年のアクセンチュアの調査でもフィンテックへの投資額は世界で10番目の規模だった。グローバル化とデジタル化が進む中で、フィンテックというのは必然性の高い事業領域だといえる。
規制緩和で新規産業支援
では、フィンテックを推進するためには何をすべきか。足枷となっているのはインターネット以前に作られた法律だ。インターネット以後に作られている事業モデルはインターネットが現れるまでの事業モデルと大きく異なるにもかかわらず、法律は過去のままなのだ。
全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。
-
記事本文残り74%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。