オープンデータの先進地・鯖江 創造が日常にある「ITのまち」

鯖江市を、創造が日常にある、始まりの予感にあふれる「まち」に。他に先駆けてオープンデータ化を進め、ITの教育にも力を入れる鯖江市で、変革を牽引するキーパーソンの一人が、地元の高専出身の起業家、福野泰介氏だ。

鯖江市にある、jig.jpの開発センター。現在、同社には50人以上の社員がいる

「めがねのまち」として知られる福井県鯖江市が今、「ITのまち」として注目を集めている。2010年、日本の自治体として初めて、行政データを民間に公開する「オープンデータ」を開始。その後も続々とデータを公開し、現在のデータセット数は2万を超える。そして、オープンデータを活用したアプリも120種類以上生まれた。

その原動力となったのが、鯖江に開発拠点を置くITベンチャー、jig.jp(ジグジェイピー)の福野泰介社長である。

福野泰介(ふくの・たいすけ)jig.jp 代表取締役社長

データの公開へ、市長に直談判

福野社長が鯖江市の牧野百男市長と知り合ったのは、2006年。市長はITを地場産業として育てる構想を描いており、鯖江発のベンチャーとして、福野社長に声がかかったのである。

「意見交換の場でしたが、そのとき、施策としてITを強化するなら、市長ご自身もITを積極的に活用すべきという話になって、ブログの活用を提案しました。そしたら、すぐに市長はブログを始めたんです」

そうしたフットワークの軽さが、オープンデータの実現にもつながっている。福野社長は、2010年に開催されたインターネットの標準化団体「W3C」の国際会議でオープンデータを知り、そのインパクトを感じとった。

「地方自治体は、生活に密着した身近なデータをたくさん持っているので、それが公開されれば、イノベーションにつながる。W3Cから帰国して、すぐに牧野市長に直談判したら、その場で『よしやろう』と快諾してくれました」

当時、日本で、オープンデータに関心を持つ人は他にもいたが、行政と距離が近く、実践できる立場にいる人は限られていた。民間と行政が柔軟に意見を交わす土壌があるからこそ、鯖江はオープンデータで先行することができた。

「鯖江には、市長の理解があっただけでなく、話が通じる行政職員もいました。トップと現場の両方が揃っていたので、進められたのだと思います」

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