ピエリ守山、「体験型」で再生 「コト消費」で商業施設に活気
交通が不便な場所に立地する大型ショッピングモール「ピエリ守山」。テナントが撤退し、閑散とした施設内の風景は「明るい廃墟」と話題になった。しかし、今、賑わいを取り戻しつつある。その一助となったのが、体験型の施設だ。
2006年のまちづくり3法の改正により、全国で大型ショッピングセンターの開業が相次いだ2008年、「ピエリ守山」は東京ドーム約3個分の広さを誇る、滋賀県最大級の商業施設としてオープンした。当初、200店舗以上が軒を連ねる地元の人気スポットとして順調なスタートを切ったように見えたが、1年後から客数が激減。2013年には8店が営業するのみとなり、その寂れた風景は、インターネット上で「明るい廃墟」と話題になった。
そのピエリ守山が2014年、リニューアルオープンした。現在では100店舗以上が入居し、多くの買い物客で賑わっている。この再生への挑戦の一助となっているのは、体験型の観光商品を提供する地元の事業者だった。
「体験」から「買い物」へ誘導
ピエリ守山の屋外スペースには、他の商業施設とは一風変わった体験施設が併設されている。それは、地上8mの高さでの丸太渡りや空中を滑空するスライダーなどが楽しめるアスレチック施設だ。年間8ヵ月間の開催期間で、1万人が体験に訪れている。体験を楽しむお客の9割が、ショッピングモールが目的ではなく、アスレチックを目的に訪れ、ピエリ守山への来店のきっかけそのものをつくり出している。
「大人も楽しめる本格的な施設にすることで、親子一緒に体験し、会話が生まれることを目指しています。もともとは滋賀県の彦根市で開催していたのですが、彦根での評判が良かったのでピエリ守山に応用し、施設の活性化に貢献できないかと考えました」
こう話すのは、ひこねスカイアドベンチャー代表の村上久志氏。
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