沖縄の「IT人材不足」を解消 地方起業成功のモデルケース

沖縄でITビシネスを推進するうえでの課題の一つが、高度人材の獲得だ。それを嘆くのではなく、自ら解決して沖縄のITビジネス環境を変えたベンチャーがある。そのチャレンジからは、地方における起業を成功させるポイントが見えてくる。

琉球インタラクティブのオフィス風景。社員の7割は沖縄出身で、役員も半数は県内出身

沖縄ではこの10年間で、ソフトウェアやウェブコンテンツのニアショア開発事業所や、データーセンターの立地が進んでいる。IT産業は新規立地企業と県内企業を合わせ約3万2000人の雇用を担うレベルまで成長した。しかし、進出の大半はコスト削減を狙ったもので、産業としては依然として下請構造が実態であり、低い生産額の労働集約型である。

新しい地方起業のあり方

そんな中、注目を集めるインターネットベンチャーがある。2009年に設立された琉球インタラクティブだ。高いクリエイティブ制作力とマーケティング力を武器に、開発受託や独自のネットサービスの提供を主軸として、6期目は創業期の25倍を越える売上高を実現した。

「県外から移住してきた自分を快く受け入れて支援してくれた自治体や公的支援機関、そして地域の人々との共生こそが、今の成長の原動力です」と話すのは、同社代表取締役社長の臼井隆秀氏。もともと起業家志望であり、サイバーエージェントに入社しマーケティング部門や経営管理部門を担当。任されていた大きなミッションに区切りがついたタイミングの30歳で起業した。

なぜ東京ではなく地方で、しかも沖縄での起業を選んだのか。「まずは経営・資金調達面の戦略です。東京での起業は、資金さえあれば選択肢も人材も数多く手に入れられますが、私たちITスタートアップは資金力もなく、競合にすぐ埋もれてしまう。そのため起業は最初から地方と決めていました」。さらに起業当時はリーマン・ショック後でスタートアップに投資するVCがなく、東京で資金調達が困難だったことも一因だという。

「IT企業は人材が勝負ですから、優秀な学生や若年層がいる地域を検討しました。沖縄を選んだのは、サイバーエージェント時代に沖縄で子会社を立ち上げて採用を行ったとき、沖縄の若者の持つ素直さと人のよさに非常に感銘を受けたからです」。臼井氏は有力な大学を持つ北海道や仙台での起業も考えたが、最終的に沖縄を選んだ。人材の成長余地こそが大きな魅力だったからだ。

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