先駆者が見極める 「半歩先のライフスタイル」ビジネスの提案
IT時代であっても、「リアル」な事業領域でのイノベーションを活性化したい。その想いから始まったインキュベーションプロジェクト「Lien PROJECT」が今年もスタートした。“半歩先のライフスタイル”を軸にしたビジネスプランが多数集まる本プロジェクトに期待が高まる。
ものづくりの現場でも、IoT(モノのインターネット)による変革が起こり、IT活用は事業と切り離すことができない時代となった。一方で、地方への若者の移住が増えたり、生産者の顔が見える商品のニーズが高まり、リアルを中心にした事業展開にも注目が集まっている。
昨年開始した「Lien PROJECT(リアンプロジェクト)」は、リアルを見なおした新しい切り口のビジネス創造プロジェクト。“半歩先のライフスタイルビジネス”を軸にしたビジネスプランを募集し、優秀なプランに対する出資や提携につなげる機会の創出を目的としたインキュベーションプロジェクトである。起業や新規事業のビジネスプランコンテスト、投資家向けの事業アイデアプレゼンなどは、各所で開催されているが、IT系を対象としたものが多く、リアルを事業拠点とする人は応募する場が少なかった。同プロジェクトは、小売業やカフェなどリアル拠点で、「新たなアイデアを持ち、行動を起こすことができる優れた人材」の掘り起こしを試みる。プロジェクト第2回の募集を12月15日に開始した。
プロジェクトを主催するサザビーリーグは、1972年に創業。アフタヌーンティーやアニエスベー、スターバックスなど海外ブランドを日本へ展開し、40年以上にわたり国内にライフスタイル市場を創り上げてきた。「半歩先のライフスタイルの提案」を同社のスピリットとして、生活が少し楽しくなり、生活者にとって最も心地よいと感じる距離感「半歩先」を、事業を通して提案している。
「社会課題を解決したい」と熱い想いをもった事業家が受賞
昨年開始したプロジェクト第1回では255件の応募から、8名のファイナリストが選ばれた。2015年3月に企業家、投資家など各業界から集まった400名を超えるオーディエンスの中、最終プレゼンテーションが実施された。
審査の結果、優秀賞は休耕地の活用で農業に変革を起こすマイファームの西辻一真氏が受賞。そして最優秀賞には、子どもたちの食育をコンセプトにした塾への和食弁当配達を試みるFCNの椎名伸江氏が受賞した。
今年募集を始めた第2回のプロジェクトは、2016年3月2日にファイナリストのプレゼンテーションが実施され、最終審査が行われる予定だ。審査員として、ユナイテッドアローズの創業者である重松理氏、ルミネ代表の新井良亮氏、スマイルズの遠山正道氏など企業家が参画する。
投資や提携につなぐため、企業の再建、経営支援を行うリヴァンプが協力している。同社は、大手外食チェーン等の再建、企業の経営支援を行った実績を持つ。さらに、会場のオーディエンスは投資家や銀行、デベロッパーなど各業界から招かれる予定だ。
また、多くの人が参加できる仕組みとして、「ライブファンディング」を実施する。最終審査会を動画中継し、Relicが運営するクラウドファンディングサービス「ENjiNE(エンジン)」を通して、プレゼンターをその場で支援することができる。
応募は、2016年1月27日を締切とし、最優秀賞には100万円、優秀賞には30万円を表彰する。
「Lien(リアン)」は、フランス語で「つながり」や「連鎖」を意味する言葉。本プロジェクトを通して、人のつながりやアイデアの連鎖がどのように起こるか、その過程にも注目していきたい。
- 株式会社サザビーリーグ リアンプロジェクト事務局
- TEL:03-5412-1970
- URL:https://lienproject.net/
- MAIL:lienproject_qa@sazaby-league.co.jp
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