「よそ者」の視点で村は目覚める 漁師の「生活」を体験ツアーに

地域の人が話す「他愛のない会話」も、観光客にとっては非日常。地元の漁師が、休息したり作業場として使っていた「番屋」の価値を見つめ直し、体験型のツーリズムに活用。田野畑村の取り組みは、多くの観光客を呼び込んでいる。

漁師たちが寝泊まりする施設「番屋」。田野畑村には、「番屋」が数多く残る

岩手県にある田野畑村は、日本の海岸で唯一特A級の観光資源に認定された高さ200mの断崖「北山崎」を有する三陸海岸沿いの漁村だ。田野畑村では住民が一丸となり、もともとある資源を体験型観光に活かす取り組みが行われている。

その背景には、地元住民が田野畑村ならではの魅力を再発見するきっかけとなった「第三者」の存在があった。

朽ち果てた「番屋」に価値

「北山崎には以前から年間約50万人もの観光客が訪れていました。しかしその多くが景色を眺めるだけで、15分もしたら移動してしまい、地域への経済効果はほぼありませんでした。少しでも観光消費を増やすため、田野畑村を『通過型』の観光地から『滞在型』の観光地へと変えることが村全体の課題でした」

そう語るのはNPO法人体験村・たのはたネットワーク理事長の道合勇一氏だ。2004年、こうした現状を打破しようと、漁業や林業などそれぞれの産業に従事する住民が集まって協議会を発足、道合氏はその会長職を引き継いだ。具体的な活動に先立ち、協議会は北海道・知床からNPOを誘致。第三者に見てもらうことで、客観的な評価を求めた。

道合勇一 体験村・たのはたネットワーク 理事長

その中で見出したのが、景勝地だけではない「番屋」群の価値だった。「番屋」とは、漁師が利用する宿泊施設と作業場を兼ねた建物で、田野畑村には、明治以前から漁師のコミュニティの中心として親しまれた番屋が25棟現存していた。

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