本格復興に全力、「希望郷」の実現へ
世界最先端の設備である「国際リニアコライダー」建設の構想など、次世代技術による産業力の強化を目指す岩手県。3.11の被害から立ち上がり、一人一人が希望を持てる岩手の実現に向けて、改革が進められている。
――岩手県の地域資源の潜在力や可能性、課題について、どう見ていますか。
北上川流域を中心に製造業が集積する岩手県は、ものづくり県です。自動車・半導体など、ものづくり産業が集積しており、特に自動車関連については、トヨタ自動車が東北を国内第3の生産拠点に位置付けているなど、強みがあります。県の製造品出荷額を見ると、輸送用機械が3割近くを占めています。
しかし、岩手県における製造業の従業者1人当たり製造品出荷額は全国32位、付加価値額は43位となっており、生産性や付加価値の向上が求められています。技術革新や情報化社会の進展に対応し、製品だけではなく、ものづくりのプロセス全体を大きく変革していかなければなりません。
岩手県は今後も自動車・半導体関連産業を強固な柱としながら、これに続く成長分野の発展を促し、県経済を力強く牽引するものづくり産業をつくり出していきます。
また、豊かな自然環境の中で、全国有数の農林水産業が栄えていることも、岩手県の強みです。
さらに、歴史をたどれば平泉があり、遠野のカッパ淵、オシラサマ、座敷わらしに代表される妖怪伝説など、岩手県は見どころに溢れています。
2015年7月には、釜石の「橋野鉄鉱山」が世界遺産に決まりました。幕末・明治の薩摩長州の先進性にも匹敵する、新しい時代を切りひらく高い志が、ここ岩手県にあったことをきちんと広めていきたいと考えています。
岩手の未来をひらく「6つの構想」
(1)海の産業創造いわて構想
- ・新規ビジネス創出に向けた仕組みづくり
- ・三陸の「海」の多様な資源の利用拡大
- ・新産業創出等に向けた海洋研究
- ・資源開 発の促進・環境と調和した持続可能な産業基盤の形成
(2)次世代技術創造いわて構想
- ・イノベーションパークの形成
- ・イノベーションパーク相互の連携
- ・国際学術支援エリアの形成
(3)環境共生いわて構想
- ・持続可能な社会の構築に向けた低炭素社会への転換の推進
- ・地域資源を活かした環境産業の展開
(4)元気になれるいわて構想
- ・研究開発面からの支援体制の整備
- ・地域資源を活用した代替療法や創薬、機能性食品等の開発
- ・癒しや健康の視点に立った「いわての食」の展開
- ・癒しや健康、スローライフの視点に立った地域ツーリズムの展開
- ・いわての癒し、健康、憩いの環境を活かした定住・交流の促進
(5)安心のネットワークいわて構想
- ・人と人とのネットワークを育てる
- ・人と地域社会とのネットワークを育てる
- ・ネットワークを支える基盤を育てる
(6)ソフトパワーいわて構想
- ・岩手の「ソフトパワー」を育てる
- ・「人」を育てる
- ・「もの」を育てる
- ・「エリア」を育てる
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