5年で50倍に成長 景勝地の「体験型観光化」で伸びる地方企業

景勝地をキャニオニングのコースに活用し、急成長をとげたフォレストキャニオン。地域ならではの資源への着目や、アクティビティの敷居を下げる工夫、自治体や住民を巻き込んだ観光地化などの多方面での活動が、成功の要因となった。

滑らかな川底をもつ滑床渓谷は天然のウォータースライダーであり、キャニオリングの適地だ

愛媛県は道後温泉や松山城、しまなみ海道などの観光名所が有名である。今回はその愛媛県において、体験型観光によって5年で50倍の成長をとげた事業者の取り組みに注目した。

愛媛県宇和島市にある「滑床(なめとこ)渓谷」は四万十川へと続く清流と滑らかな岩肌が特徴的であり、日本の滝100選にも選ばれている「雪輪(ゆきわ)の滝」を有する景勝地である。フォレストキャニオンの代表・正木秀臣氏は、滑床の特殊な地形が、景勝地としてだけではなくキャニオニングのコースに適していることに気がついた。キャニオニングとは、特殊なウェットスーツを着て身ひとつで川を下り、滝壺への飛び込みや天然のウォータースライダー(滑り台)での降下を楽しむアウトドア・アクティビティである。

自然がつくった日本一の好条件

正木氏は滑床でのキャニオニングの魅力をこう語る。

「国内にあるキャニオニングコースでは2~3メートルのスライダーが一般的ですが、滑床渓谷には7~8メートルのスライダーが何箇所もあり、最長では40メートルにもなります。コース自体の魅力に加え、他の地域のコースではスタート地点まで車が入れない山道を何時間も歩く場合もありますが、ここでは車で乗り付けられる集合場所の目の前にスタート地点があり、立地の良さも利点となっています。これらの好条件が揃った場所は日本で他にありません」

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り73%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全文読むことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。