移住者を呼び込む「古民家」の力 UIJターンの起業家が奮闘
UIJターンの起業家集団が、地元のまちづくり団体と連携し、リノベーションした古民家を活動拠点に、さまざまな活動を展開。「やりたいこと」が実践できる場づくりを行い、多くの人を呼び込んでいる。
取材協力:クックパッド ホリデー社
国立公園大山から日本海へと町域が続き、山と海に恵まれた鳥取県西伯郡大山町。この町に、多くの人が集まる古民家「まぶや」がある。
2013年、「まぶや」には複数人のアーティストが滞在し、アニメーション作品を制作。完成上映会には、町内外から多数の観客が集まった。この「大山アニメーションプロジェクト」を計画・実施したのが、大山町にUIJターンした若手起業家を中心とする任意団体「築き会」である。
物件オーナーに日参し、交渉
「築き会」は2011年1月、Uターンして建設会社「創伸」を起業した北村裕寿氏、「漁師中村」社長でIターン者の中村隆行氏、「大山竹炭工房」社長でJターン者の大廻慎司氏が立ち上げた。
それから2年後、隣町にUターンしたアーティスト・大下志穂氏の参加によって、現在の活動へとつながっていく。海外、県外のアーティストが県内に滞在して作品を創作する「アーティスト・イン・レジデンス」を企画していた大下氏が、知人の紹介で「築き会」に相談。ちょうど、北村氏たちは町内に残っていた築90年の馬淵病院をコミュニティ・スペースに再生させたいと考えていた。
さっそく、土地・建物の所有者のところに根気強く日参し、ついに母屋や土蔵を含めた約2000坪の敷地を町に無償寄付してもらえることになった。さらに改修費用は、総務省と県から助成金を受けることができた。
こうして2013年10月、イベントスペース、ギャラリー、カフェ、宿泊部屋を備えた古民家「まぶや」がリニューアルオープン。第1回「大山アニメーションプロジェクト」が開催されたのである。
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