観光客が激減の温泉地、「エネルギーパーク」として再生へ

東日本大震災からの復興を目指し、力強く立ち上がった土湯温泉の住民パワー。観光客の激減に直面した温泉地が、再生可能エネルギーに力を注ぎ、一致団結して新しい魅力づくりに挑戦している。

清流・荒川の渓谷にある土湯温泉郷。観光客の減少に直面する中で、「再生可能エネルギーのまち」に変貌を遂げることで、再生を目指している

土湯温泉町は、福島市の中心部から西南へ約16kmの磐梯朝日国立公園の一角にある。美しい自然環境と豊富な温泉量を誇る人情味豊かな人気の温泉郷で、ピーク時には年間60万人を超える観光客を迎え入れていた。

しかし、東日本大震災の建物被害とそれに伴う福島第一原発事故の風評被害のため、観光客が激減。一時は震災避難者の2次避難地としての役目も担ったが、避難終了後は、16軒あった宿泊施設も半数近くが廃業と長期休業に追い込まれた。この逆境に敢然と立ち向かうべく生まれたのが、温泉協同組合とNPO法人土湯温泉観光まちづくり協議会が出資して設立した企業、元気アップつちゆである。

先進的なエネルギーパークに

元気アップつちゆの加藤勝一社長は、自社の原点をこう語る。

加藤勝一 元気アップつちゆ 代表取締役社長

「震災でエネルギーの重要性を痛感しました。2011年10月に土湯温泉の復興を目指して、旧知の仲間たち29人と土湯温泉町復興再生協議会を発足させ、復興計画を策定しました。土湯には、河川と堰堤、温泉による地熱があります。計画の骨子は、これらを活用して再生可能エネルギーを導入し、地域の新たな魅力をつくり出すことです。先進的なエネルギーパークに生まれ変わることで、現状を打開することを目指したのです」

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