無名から有名のオンリーワンへ 創業200年を見据えた戦略

香川県東かがわ市に拠点を置く製薬会社・帝國製薬。パップ剤業界では世界的なシェアを誇りながら、その名を知る人は少ない「無名のオンリーワン」企業が、得意分野を活かした新たな領域に挑む。

消炎鎮痛パップ剤で世界一の生産量を誇る帝國製薬。製品の多くは医療機関向け、OEMでの生産であるため、一般には、その名はあまり知られていない

肩こりや打ち身、筋肉痛など、身体の痛みをやわらげてくれる消炎鎮痛薬。中でもシップのように貼り付けて使うパップ剤は、日常生活において非常に身近な存在だ。

その消炎鎮痛パップ剤の生産量世界一を誇るのが、香川県の東端・東かがわ市にある帝國製薬。売上高の約80%を医療機関向け製品が占め、OEMでの製品提供も多いため名前こそあまり知られていないが、得意とするパップ剤と消炎鎮痛薬の分野を中心に、世界の巨大製薬会社と渡り合う存在だ。

創業は江戸時代末期。小さな薬屋から行商を経て、1918年に帝國製薬を設立。製品をパップ剤に特化したのは1970年頃のこと。使うたびに布に塗る必要があった旧来のパップ剤が、貼るだけで使える成形パップ剤になったことで、主力商品の座にのぼりつめるほど売上げが増えたためだ。

さらに1974年に、パップ剤が医療保健薬の認可を受けたことで爆発的に売上げが増加。その後も温感パップ剤やインドメタシン入りのパップ剤を、日本で初めて開発、アメリカ初の医療用パップ剤の承認を受けるなど、パップ剤に特化した戦略で順調に事業を拡大してきた。

思いがけない入社と社長就任

今年168年目を迎える帝國製薬の代表取締役社長を務めるのは、創業家の藤岡実佐子氏。当初社長はおろか家業を継ぐことすら考えていなかったという。東京大学法学部を卒業後、東京の広告代理店に就職。企業のブランドネーミングを手がける会社で、得意の語学を活かして、さまざまな言語でネーミングのヒントを探したり、世界各国の商標登録に関する仕事に携わっていた。

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