五島列島支援プロジェクト 流通を変革、島の経済を変える

島の歴史と文化を守るために始まったプロジェクトが、観光客の増加、水産物の販路開拓などで成果を上げている。島をルーツに持つ“よそ者”の使命感が、島を変えている。

五島列島は、福江島、久賀島、奈留島、若松島、中通島の5つの大きな島を中心に約140の島からなる。美しい砂浜や海、手つかずの自然が残り、日本の原風景を堪能できる

九州の最西端に位置する長崎の五島列島。140を超える島々が連なるこの地域は、豊かな自然と昔ながらの風情、明治時代にキリスト教徒によって建てられた古い教会群が今も残る風光明媚な土地として知られる。

しかし高齢化と人口減少が進み、日本創生会議が今年5月に発表した「2040年の消滅可能性都市」の中には、五島列島の五島市や新上五島町も含まれていた。

このままでは固有の文化や歴史も風化してしまう、という危機感から2009年に「五島列島支援プロジェクト」を立ち上げたのが、飲食店経営のコンサルティングを手掛けるスーパーソニックの代表取締役・小島由光氏だ。地域活性の専門家ではない小島代表が五島列島の支援に乗り出したのは、自身のルーツがきっかけだった。

小島 由光 スーパーソニック 代表取締役

「両親から聞き、祖父と祖母が五島列島出身だということは以前から知っていて、いつかは自分のルーツを訪ねようと思っていた。五島列島は古くからカトリック教徒が多くいたところで、祖父は久賀島、祖母は奈留島の生まれ。私の家系は代々カトリックです」

しかし、2009年に現地を訪ねた際、大きなショックを受けた。

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