2014年12月号
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地方創生 2つの輪

若年無業者の仕事づくり 目指すは「働き続けられる」社会

工藤 啓(育て上げネット理事長)

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地方創生の重点項目の一つとして「若者の就労」が掲げられているものの、実態として、若年無業者の問題は深刻化し続けている。若者就労支援の専門家、育て上げネットの工藤啓氏は、新たな雇用機会の創出を提案する。

育て上げネットでは、スタッフが相談に乗りながら、個々人の悩みや希望に応じた就労基礎訓練プログラムを提供。企業や各種団体とも連携し、事務や販売、農業など、さまざまな雇用機会の創出に努めている

現在、若者の16人に1人が「無業」の状態にある。内閣府「青少年の就労に関する研究調査」(2005年)では、「若年無業者」について、以下のように定義づけている。

工藤 啓(くどう けい)育て上げネット 理事長

「高校や大学などに通学しておらず、独身で、ふだん収入になる仕事をしていない、15歳以上35歳未満の個人」(2011年4月からは政策対象年齢が「39歳まで」に変更)

「失業者」は求職の意志がある人を前提とするため、「無業者」は「失業者」の数よりも多い。また、「無業者」は就労のためのトレーニングを受けている場合もあるので、必ずしも「ニート」とは同義ではない。若年無業者の数は、すでに200万人を超えている。その実態は、「怠惰な若者たち」といった単純なものではなく、病気やけがなど、ちょっとしたきっかけで労働市場に参入できない場合も多い。

政府は地方創生の重点項目の一つに「若者の就労」を掲げているが、その推進は簡単ではないのが現実だ。

若年無業者問題の実態とは

社会の中に所属すべきポジションがなく、働く場所がないという若年無業者の増加は、日本社会に大きな損失をもたらしている。特に雇用が少ない地方において、事態は深刻とみられる。

首都圏を中心に若年無業者約1万人の就業支援活動を手がけてきた認定NPO法人「育て上げネット」の工藤啓理事長は、こう語る

「経済的余力がない家庭に育った低学歴の若者は、携帯電話、パソコンなど就活するための必需品の保有割合が低く、統計的にも無業者になりやすいことがわかっています。そのうえ地方の場合、求人募集が少ないことに加え、就活のためには移動手段として自動車の保有も欠かせないなど、就労の初期コストもかさみます。都市部より困難な状態に追い込まれている可能性があります」

育て上げネットでは2013年、10年間にわたる若年無業者の支援活動から蓄積された基礎データを活用し、調査研究『若年無業者白書』を刊行。社会課題の解決に向け、問題の実態を明らかにした。また、就労に向けた基礎訓練プログラムを独自に開発・展開するとともに、日本マイクロソフト、リクルートホールディングス、西友(ウォルマート・ジャパン)などと連携した就労支援活動を行っている。

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