鉱山閉鎖からの起死回生 世界が注目するリサイクル技術

足尾、別子と並び三大銅山と称された、秋田県小坂町の「小坂鉱山」。製錬所として鉱山と共に歴史を刻んできた小坂製錬(DOWAグループ)は、鉱山閉鎖後の苦境を乗り越えてリサイクル事業で成功。再び注目を集めている。

全国から小坂製錬に集められた“資源”。異素材から効率良く複数の金属を取り出す、同社ならではの技術が活きる

避けられぬ鉱山産業の衰退
“都市鉱山”に活路

光根 裕 小坂製錬 代表取締役社長

国内の鉱山は強いと言われてきたが、1985年のプラザ合意による円高の進行で急速に競争力を失い、1994年には国内全ての鉱山が閉鎖。その後は、海外から鉱石を輸入し製錬する買鉱製錬事業を続けてきた。小坂製錬株式会社の光根裕社長はその変遷を振り返る。

「もともとは自分たちのところに鉱山があり原料がありましたが、それも徐々に枯渇してくるわけです。また、金や銀、銅などの価格は、LME(ロンドン金属取引所)で決められていますが、ドルベースで取引されるため円高になると収入が減ってしまいます。

その結果あまりにも価格が安くなり、国内では鉱山をやっていけなくなりました。そこで需要を賄うため、海外から原料を輸入し製錬するようになりました」

日本地図を見るとよく分かるが、国内にある製錬所のほとんどは臨海にある。鉱石が海外から運ばれてくることを考えれば、港の近くに構えるのが自然だ。一方、明治時代から続く小坂製錬は内陸の山の中。港のある青森、八戸、秋田のいずれからも100km前後離れており、その分輸送の手間もコストもかかる。

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