グローバル人材育成トップ校 国際教養大の知られざる地域貢献力
日本のグローバル人材育成のリーダーと言える国際教養大学。その特色を活かして県内企業の海外進出支援や、子どもの英語教育にも注力する。開学から10年の今年、さらなる高みを目指した挑戦が始まる。
授業は原則すべて英語で行われ、一年次は全員キャンパス内の学生寮での生活が義務付けられる。概ね3年次に行う海外の提携大学(2014年7月現在164校)への一年間の留学が必須。そんな、新時代の高等教育のモデルケースとなり得る独自色の強い教育を行う、国際教養大学(AIU)は、秋田県を設立母体として2004年に開学した日本初の公立大学法人が運営する大学である。
2014年度の入学志願倍率は11.1倍。グローバル人材の確保に取り組む全国の企業からも注目されている。AIUが10年でこれほど急成長できたのは、開学当初から同大の理念構築に深く関与し、同大の礎を築いた中嶋嶺雄初代理事長・学長(元東京外国語大学学長)の存在が大きい。2013年2月に亡くなった中嶋氏の後を継ぎ、2代目理事長・学長として腕を振るうのが、鈴木典比古氏(前国際基督教大学学長)だ。
鈴木学長の胸には、日本のグローバル人材育成をリードしてきたAIUへの手応えとともに、危機感もある。「就任して一年経った本学の印象は、教育内容がしっかりしていて、学生たちも意欲的に勉学に励んでいるということです。しかし、開学から10年が過ぎ、同様の取り組みを行う大学も少しずつ増えてきて相対的に独自色が薄れてきた面もあります。また、公立の大学として地元への還元や貢献をどう考えるかも課題です。これまでの取り組みを継続するだけでなく、本学はさらなる高みを目指さなければいけません。加えて言うと、もし本学が今後迷走するようなことがあれば、それは単にこの大学だけの問題に留まらず、グローバル人材育成に注力する日本のこれからの高等教育のモデルを失ってしまうことにもなります」
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