才能を発掘し、磨く「教育立市」に

岐阜市は最寄りの大都市、名古屋市とは異なる特色を持つ都市として、注目を集めている。2002年2月から市の舵をとる細江市長が目指しているのは、「教育・健幸・医療」。徐々に見えてきたその成果、そして細江市長が目指す未来とは、どのようなものなのか。

細江 茂光 岐阜市長

――岐阜市が持つ潜在力について、どう見ていますか。

自然環境、水や空気、そして歴史といった総合的な環境が岐阜市の魅力だと考えています。岐阜市が一貫して目指しているのは「教育立“市”」です。戦後の日本を支えたのは、人という資源でした。そこに住む人の才能を発掘し、磨くことが教育の役割です。岐阜市はその教育で選ばれる街にしようというのが、大きなテーマです。

しかし、頭を支える体がひ弱ではいけません。岐阜市では教育の次に健康と医療を重視しています。

私も参加している「スマート・ウエルネス・シティ首長研究会」では「健康」を「健幸」と表現しています。これは健やかで幸せであるということ。医療や介護のお世話にならない「健康寿命」の長い都市を作っていきたい。「岐阜市に住めば能力が開発され、健康(健幸)に過ごせる」。そう思っていただける街でありたいと考えています。

例えば自転車に乗りたい、歩きたいと感じていただけるような環境づくりには、岐阜市が持っている豊かな自然環境がベースになるはずです。

「まちなか居住」の時代に

――市長の就任以降、岐阜駅周辺の再生が続いています。

私が市長に就任した12年ほど前、駅前に商業ビルを建てるプロジェクトが頓挫していました。そこで発想を転換し、ビルの上層は住居とする計画に見直しました。

私はこれから「まちなか居住」の時代が来ると考えています。郊外に住む皆さんが高齢になると、車を運転することができなくなり、生活に不便を感じるようになると思います。

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