他業界の手法で雪山に革命

ソーシャルゲームなどインターネットのビジネスモデルとして有名なフリーミアム戦略。観光業界にこの手法を持ち込んだ「雪マジ!19」(ユキマジナインティーン)は記録的なヒットになった。その仕掛け人が語る、他業界の視点・手法の重要性。

国内約600カ所のスキー場のうち、半分は赤字経営と言われる
Photo by Takoyaki_King

基本的なサービスを無料で提供してユーザーを集め、プラスアルファの機能に対する課金や周辺サービスで収益を上げるビジネスモデル「フリーミアム」。この戦略を観光業界に導入し、大きなインパクトを与えたのが「雪マジ!19」キャンペーンである。

19歳の男女のリフト券を無料にして若者の集客を図るキャンペーンで、2011年から始まり、今年で3年目を迎えた。プロジェクトの会員登録数、ゲレンデ延べ動員数ともに右肩上がりで伸びており、観光業界以外からも熱い注目を集めている。

その仕掛け人がリクルートライフスタイルの主席研究員、加藤史子さんだ。

経営難に悩む地域とスキー場
新たなターゲットは「19歳」

このプロジェクトが生まれたのは、1860万人いた全盛期の3分の1というスキー離れに悩む長野県からの相談がきっかけだった。

実は他の地域も同じ課題を抱えている。日本には約600のスキー場があるが、最盛期から客数は半減し、経営は厳しい。スキー場は地域の雇用や産業の受け皿でもあり、行政が赤字を補てんしながら運営する地域もある。

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