「選択と集中」でインフラ整備を

政府は観光を成長戦略の1つと位置づけ、さまざまな施策を打っている。しかし観光に関わる省庁は15にも達し、その司令塔もあいまいだ。真の観光立国実現に向けて求められる政策推進体制とは。

ネット環境整備や標識の多言語化などの観光インフラ整備が急務
Photo by Maik Meid

小泉政権による「観光立国」宣言と、ビジット・ジャパン・キャンペーンの開始から10年の節目となった2013年、訪日外国人旅行者数は初めて1000万人を超えた(1036万人、前年比24%増)。

この背景には、円高の是正やプロモーションなどさまざまな要素があるが、特に13年7月以降のビザ発給要件の緩和は効果が大きかった。タイとマレーシアはビザが免除され、2国からの訪日客は前年比61%増の63万人に拡大。フィリピン、ベトナム、ミャンマーなども続々と緩和された。安倍首相が今年1月と3月に訪問したインドとの間でも、ビザの緩和が検討されていると見られる。

政府の観光立国推進閣僚会議では、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」を13年6月に策定。各省庁の観光政策や方向性がまとめられた。今夏にはアクション・プログラムを「外国人が旅行しやすい環境の整備」を軸に改定する方針であり、訪日ビザ免除国の拡大などが期待されている。

観光庁予算はわずか5%

ただ、観光政策や地域活性化に詳しい日本総合研究所の高坂晶子主任研究員は、「国の観光振興政策やその推進体制には、まだ数々の問題があります」と指摘する。

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