和歌山を宇宙産業と人材の拠点に
宇宙を学び場に、臨機応変に対応しチームワークを発揮できる人材を育てる。そんな試みを進めているのが、和歌山大学宇宙教育研究所だ。和歌山で、日本の次世代を担う人材と産業が育ちつつある。
和歌山大学の西側敷地に巨大なパラボラアンテナがあるのをご存知だろうか。口径12メートルと大学キャンパス内設置としては国内最大級となる、その電波観測通信施設を設立し管理を行っているのが、和歌山大学宇宙教育研究所だ。
設立は2010年。秋田県能代市で学生用のロケット実験場を開発し打ち上げ実験などを行っていた秋山演亮所長が、「日本全国の人がアクセスしやすい本州中央部でロケット打ち上げに適した場所がないか」と探していたところ、和歌山県加太に県営の広大な土地があると聞き和歌山大学へ移籍、設立された研究所の所長に就任した。
すでに和歌山大学は、宇宙開発・研究の分野で国内をリードする重要な役割を担っている。今年5月には、和歌山大学を中心に開発した小型副衛星「UNIFORM-1号機」が、H2Aロケットによって打ち上げられる。熱センサーが搭載された衛星で、森林火災の検知などへの活用が期待されている。
宇宙教育が実践力とチーム力を育てる
ただし、宇宙教育研究所の目的は技術開発だけではない。「宇宙」と「教育」のキーワードからも推測できるように、宇宙を題材とした教育手法の研究も、ミッションとしている。秋山所長は、「宇宙というのは興味を持ってもらいやすい分野ですから、科学などの学びの入り口になりやすいと思います」と語る。
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