中村屋創業者・相馬黒光

カレーで有名な新宿中村屋の創業は、相馬愛蔵・黒光の夫婦によるものだ。新製品でパン文化を生み出しただけでなく、多くの文化人の交流を呼んだ夫婦の活動は、起業家の域を超え、社会事業家と呼べるものだった。

相馬黒光(1876年9月12日―1955年3月2日) 父・喜四郎、母・巳之治の三女として宮城県仙台市北四番町に生まれる。名家であったが、戊辰戦争を機に没落し、幼少時は貧しい時代を過ごした。キリスト教信仰を持ち、12歳で洗礼を受けている。夫・愛蔵との出会いも、キリスト教を通じてのもの

老舗の食品メーカー・中村屋(なかむらや)は、1901年、東京都文京区本郷の東京大学正門前にあったパン販売店中村屋を相馬愛蔵・相馬黒光(こっこう。本名・良)夫妻が居ぬきで買い取り、屋号をそのままに個人経営で創業したところから歴史をスタートさせている。

1904年にはクリームパンを開発。まだ発展途上だった新宿の成長性を見込み、支店出店で手応えを掴んだ後、1909年には現在地に本店を移転。工場面積も広がったことで、和菓子の開発に取り掛かる。さらに、1920年には早くも洋菓子の製造・販売を開始。

相馬夫妻の商品開発は、パンだけでなく中華まんの元となった中華饅頭、月餅など多岐にわたり、製パン、製菓業界に現在に至るまで大きな影響を及ぼしている。山﨑製パン創業者の飯島籐十郎、フランスパンを日本で最初に発売した進々堂創業者の続木斎らは中村屋で勤務し、事業の基礎となるノウハウを得ている。

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