東北のグローバルゲートウェイへ

仙台空港で民営化への動きが本格化してきた。早ければ2015年にも、日本初の民間運営による地方中核空港が誕生する。復興のシンボルとして、そして東北の表玄関として仙台空港は飛躍できるか。

民営化が検討されている仙台空港 (写真提供:宮城県観光課)

復興のシンボルに

仙台空港の民営化構想は、宮城県から2011年末に打ち出された。仙台空港の旅客数はリーマン・ショック以降、大きく減少。さらに東日本大震災で空港そのものが大きな被害を受けただけでなく、観光や地域経済も打撃を受けた。これを打開するため、民間のノウハウを活用し、仙台空港とその周辺地域を国内外からヒト・モノ・資金を惹きつけるグローバルゲートウェイとして、また復興のシンボルとして再構築する。これが県の狙いだ。

12年に公表した「仙台空港の経営改革に関する基本方針」では民営化後おおむね30年で、ピーク時のほぼ倍の旅客数600万人、貨物取扱量5万トンを目指すという数値目標を発表。13年3月には「仙台空港及び空港周辺地域の将来像」で具体的な活性化施策を明らかにした。

県の動きと平行し、国でも空港民営化に向けた法整備が進んだ。11年5月に施行された改正PFI法では、「コンセッション方式」が新たに導入された。これは国や自治体が施設の所有権を持ちながら、運営権を民間に委ねることを可能にするものだ。2013年6月には、国や自治体の管理する空港の運営を民間委託できるようにする「民活空港運営法」が成立した。

民間のノウハウで地域の競争力を高める

そもそも、なぜ空港の民営化が求められているのか。国土交通省航空ネットワーク企画課・空港経営改革推進室の飯沼宏規企画調整官は次のように解説する。

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