医療テクノロジー最先端化の理由

岡山県の医療テクノロジーは日本トップレベルとして名高い。その下支えとなっているのは、医療産業の躍進だ。そこへ至る産学官の取り組みと今後の展開を追った。

ニーズとシーズをマッチングさせる

世界トップの船舶用プロペラの設計・加工技術を誇 るナカシマプロペラが、その技術を活かして開発した人工関節・手術支援システム Photo by NORITO,S

「医療先進県」といわれる岡山県。岡山大学や川崎医科大学をはじめとする、日本トップレベルの医療技術を誇る大学や医療機関があり、特に臓器移植や遺伝子治療は世界的に見ても高い水準にある。さらに、理工系の大学などでは医療分野における技術開発やシステム構築の研究が重ねられており、製造業においても優れた技術が蓄積されている。しかし、こうした高いポテンシャルを持ちながら、医療産業の成長は十分とはいえなかった。

そこで、2005年に設立されたのが産官学の連携組織「メディカルテクノおかやま」。県が08年に策定した「メディカルテクノバレー構想」を推進するに当たっての中心的役割を担っている。

「医療系大学や医療機関が充実していることから、現場で必要となる実験機器や医療機器のニーズが多くあり、企業にとっては有利な条件が整っているように思えますが、実際には大学や医療現場のニーズや情報が、企業側に伝わらないという問題があります。

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