地域価値を高めるマーケティング戦略

千葉県北西部の流山市は、全国の基礎自治体で初めてマーケティング課を設置。「都心から一番近い森のまち」のブランドイメージで、子育て世帯の誘致に成功している。井崎義治市長に自治体ブランディングの重要性と、次の成長戦略を聞いた。

ターゲットを明確化し質の高い行政サービスを提供

─マーケティング課を設置した理由は。

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いざき・よしはる/1954年生まれ。76年に立正大学を卒業後、渡米し都市計画コンサルタントとして活動。85年サンフランシスコ州立大学大学院修士修了(地理学専攻)。住信基礎研究所、エース総合研究所を経て03年から現職。

すべての始まりは少子高齢化への対応です。流山市は団塊世代の住民が多く、本格的な人口減が始まれば、財政が逼迫して福祉などの市民サービスを持続できないことは目に見えていた。この課題を解決するには、若い層を中心に人口を増やすことが必要でした。

私が市長に就任した2003年は、2年後につくばエクスプレスの開業を控えていました。住民が増えるのは明らかでしたが、「都内に家を買えなかったから流山に来た」では意味がありません。流山だからこそ住みたいという選択市民を増やし、沿線や首都圏での住民争奪戦に勝つことが必要でした。それにはマーケティング戦略を立て、明確にターゲットを設定して流山の訴求力を高めるしかない。そこでマーケティング課を設置したのです。

─海外では自治体がマーケティングに取り組む例は多いのですか。

私はサンフランシスコとヒューストンで都市計画のコンサルタントとして働きましたが、どちらの市も当然のようにマーケティングに取り組んでいました。そもそも、株式会社でもNPO法人でも、組織を維持・発展させるには「誰のために何をするか」を明確にする必要があります。日本では行政のみ、このマーケティングの視点に欠けています。我々のお客様は市民ですが、平均的な市民など存在しません。漠然としたイメージからは、質の高い行政サービスは提供できません。市長とは自治体の経営者であり、街の総合プロデューサーだと私は考えています。

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