静岡新産業集積クラスター

幅広い産業が集積する静岡県は、東部・中部・西部の3ブロックで、地域資源を活かした産業集積プロジェクトを推進。日本の新たな産業活力を育てようとしている。

現在、静岡県はファルマバレー(医療健康関連産業)、フーズ・サイエンスヒルズ(食品関連産業)、フォトンバレー(光・電子技術関連産業)の3つの産業クラスターを推進。それぞれの地域資源と特徴ある産業基盤を活かし、次世代産業の芽を育てている。

ファルマバレー 世界一の健康長寿県へ

ファルマバレーの中核を担う、静岡がんセンター

静岡県は医薬品・医療機器の合計生産額で全国1位を誇る。ファルマバレープロジェクトはこの強みを活かし、「静岡を世界一の健康長寿県に」という目標を立てて推進されている。

2002年開設の静岡がんセンターを中心に、ファルマバレーセンターや国立遺伝学研究所、数百社の医薬品・医療機器メーカーが連携。創薬探索から臨床試験までのプラットフォームを活用し、最先端医療の研究や製品開発に取り組んでいる。東京工業大学など首都圏の大学との連携も活発だ。すでにがん抗体試薬やインフルエンザウイルス診断キット、医療機器など幅広い分野で実績を出している。

こうしたものづくり分野だけでなく、街づくりや観光にも積極的なのがファルマバレーの特徴だ。一例が、伊豆の温泉を活かした「かかりつけ湯」の取り組み。ファルマバレーセンターで健康増進や癒やしのための温泉施設を選定し、観光客などを誘致している。健康をテーマにした街づくりで県外からも人を集め、魅力ある先端都市をつくっていく。

2011年には県東部の12市町が「ふじのくに先端医療総合特区」として国の指定を受けた。規制緩和や財政出動を活用して、がん医療の飛躍的発展や、雇用創出に注力する。経済効果2200億円、雇用創出5000人の目標を掲げている。

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