2013年10月号
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ヘルスケア・ビジネスの革新

TPPがもたらす「激動の未来」

山田正彦(元農水大臣)

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日本の国運を左右する問題でありながら、先の参院選でも争点とはならず、メディアの報道も明確さを欠くTPPの問題。日本の医療・保険は、今後、どう変わるのか?民主党政権時代に農水大臣を務め、TPP問題に深く関わってきた山田正彦氏に話を聞いた。

富裕層だけが生き残る時代

――今後、日本の医療・保険は、どのように変わってゆくのか?

TPPにおいて、米国が一番狙っているのは保険だ。そして、日本の医療・保険は、すでに、TPP正式加盟を前提に、米国型へと向かいつつある。

混合診療が解禁されたが、国民健康保険の適用範囲は、今後徐々に狭まり、それに代わって、10割負担の自由診療枠が拡大していくことだろう。

そうなれば、国民は、民間の保険会社に加入して、その高額な医療費をカバーしようとせざるを得なくなる。しかし、米国の民間保険会社を見てもわかるように、月々の保険料は非常に高く、加入できるのは経済的に余裕のある人だけとなる(筆者註:このため、米国の保険未加入者数は4000万人台で推移)。

しかも、仮に加入できたとしても、保険会社からの支払い条件は厳しく、部分的にしか支払われない、あるいはまったく支払われないケースが続発して訴訟が絶えない状況だ。

要するに、富裕層でなければ、今後は、まともな医療サービスを受けることが困難になるということだ。

――日本の製薬業界はどうなるのか? 自由診療枠を狙った医薬品の開発で高収益を確保しようと、中小・ベンチャーも製薬分野に参入してくるという見方もあるようだが。

いや、むしろ逆で、日本の製薬業界は、最大手1社程度を残して、他社は倒産するか、米国大手の傘下に入ることになる。

米国は、新しい医薬品の特許期間を長くして、データを出さなくする一方、医薬品の処方・治療法・手術方法に関しても、特許で防御してゆく戦略だ。

さらには、日本の製薬業界が従来得意としてきた海外の既存医薬品に改良を加えて製造販売する"応用特許"を一切認めていない。

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