70万人呼ぶ「水と土の芸術祭」

市民プロジェクト「地域でアイルランド人作家を招聘」(クイビーン・オフラハラ「16×10[awake/a father'swake]」)

昨年7月14日~12月24日、164日間にわたり開催された「水と土の芸術祭2012」。2009年に次ぎ2回目となる芸術祭には約72万人が訪れ、水と土が育んだ新潟市の様々な魅力に触れた。

平成の大合併で2005年までに15の市町村が合併し誕生した新しい新潟市。

2007年には本州日本海側で唯一の政令指定都市となった。市域が広く、さまざまな地域の個性が集まって一つの市を形成する新市では、各地域の歴史や文化を互いに知ることで市の一体感を生みだそうと、2009年に第1回目の「水と土の芸術祭」を開催した。

2つの大河が生んだ町

毎日市民で賑わうアートプロジェクト(王文志「浴火鳳凰-Phoenix From The Flames」)内観

「新しい市のアイデンティティの確立、地域の誇りとなるような歴史・文化の発掘と発信、そして、文化・芸術を用いたまちづくりにより新たな市民力を興すことが、芸術祭の主な目的」と、水と土の芸術祭実行委員会統括チーフの高野和久さん。

新潟市は、日本一長い延長と最大の水量を誇る信濃川と、同じく最大級の水量と清流度を持つ阿賀野川、2つの大河が運ぶ大量の水と多様な土によって生まれた。美味しいコシヒカリが育つ豊かな土壌も、豊作を祝う神楽や踊りも、豪商を生んだ水上交通や湊町の文化も、時に氾濫し、時に大いなる恵みを与える大河と共に生きる中で培われてきた。

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