地域の人材を育み、外にアピールする「文化」

長い歴史の中で培われてきた文化。それは京都における最大の強みである。京都府ではその強みを、どのように活かしているのか。最近の取り組みのひとつを紹介したい。

源氏物語千年紀事業と「古典の日」

市民公募で選ばれた「第26回国民文化祭・
京都2011」のマスコットキャラクター「まゆまろ」

今年の9月、世界最古の長編小説「源氏物語」の存在が「紫式部日記」によって確認される最古の日付(1008年11月1日)にちなんで、11月1日が「古典の日」に制定された。京都府などが中心となって進めてきたこの取り組みには「古典の持つ人類史的価値を世界に向けて発信し、未来を担う子供たちが古典に親しむ環境づくりを推進していきたい」といった願いが込められている。

始まった「源氏物語千年紀事業」に遡る。同事業は08年を「源氏物語千年紀」と定め、古典に親しむための多彩な取り組みを行うというもので、裏千家前家元の千玄室氏、哲学者の梅原猛氏、作家の瀬戸内寂聴氏ら8人の文化人が呼びかけ人に立った。これを受け、京都府、京都市、宇治市、京都商工会議所などがオール京都体制で「源氏物語千年紀委員会」を設立。11月1日には、天皇皇后両陛下ご臨席のもと記念式典が行われ、「揺れ動く世界のうちにあるからこそ、私たちはいま古典を学び、しっかりと心に抱き、私たちのよりどころとして、世界の人々とさらに深く心を通わせよう」との「古典の日」宣言が出された。

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