野菜残渣を菌で分解 京都の漬物会社もりが進める省エネ経営

(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年4月22日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

野菜残渣を自社で分解処理して省エネ-株式会社もり-

野菜残渣を菌の力で水に

もりは、現場で確実に効く省エネ施策を積み重ねています。特徴的なのが漬物を作る際に出る野菜残渣の処理方法です。以前は毎日パッカー車で回収していましたが、補助金を活用して、生ゴミを菌の力で分解・水化する処理機を2台導入しました。ゴミが出るごと随時投入し、一晩で下水基準内まで分解して排水できるようになりました。これによりパッカー車による回収は年間30日程度に減り、特に処理場までの距離のある本社工場では輸送にかかるコストとCO2を大幅に削減。また、ゴミを出す現場負担も減り、工場の衛生・安全の向上にもつながっています。

生ゴミを分解・水化する処理機野菜残渣の量を減らすことでパッカー車による回収頻度が減少輸送コストとCO2の大幅削減が実現
生ゴミを分解・水化する処理機
野菜残渣の量を減らすことでパッカー車による回収頻度が減少
輸送コストとCO2の大幅削減が実現

遮光・太陽光で涼しく節電

本社の南側の大きな窓に遮光フィルムを貼ったところ、夏季の蓄熱・放射熱が大幅に抑えられ、見学や試食会で使う2階ホールの快適性が向上しました。さらに、屋上に設置した太陽光パネルは発電に加えて遮熱の効果を発揮し、電力面と温熱環境の両方でメリットを確認しています。

京都市の補助金等も活用しLED化も計画的に進めています。長時間点灯する事務所や工場エリアから優先し、短時間使用の場所は蛍光灯の在庫を使い切ってから更新しています。また、亀岡工場では重油ボイラーをガスボイラーへ切り替え、熱効率向上とCO2削減を実現しました。こちらも京都府の補助金を活用することでコスト増を抑えました。

電力使用についてはデマンド監視を導入し、ピーク電力を抑制しています。昼休みの時間帯を集約して休憩室を利用し、不要な時間は機器を停めるなど、従業員も一日の電力使用量の増加が一年間の電気代に直結することを理解し、暑さ対策と働き方のバランスを取りながら目標を守っています。

本社の屋上に設置した太陽光パネル遮熱の効果もあり、電力面と温熱環境の両面でメリットを実感
本社の屋上に設置した太陽光パネル
遮熱の効果もあり、電力面と温熱環境の両面でメリットを実感
亀岡工場のガスボイラー熱効率向上とCO2削減を実現
亀岡工場のガスボイラー
熱効率向上とCO2削減を実現

地元とつながるやさしい省エネ経営

SDGsの勉強会への参加をきっかけに、自社がすでに多くの取組を行っていることを再確認し、これまでの活動を整理しました。工場と自社農場のある亀岡市は、環境先進都市を目指しており、エコバックやペットボトルの削減、ごみを拾う活動など市民活動が盛んです。自社も分別・再資源化の仕組みを整え、地域と一体となった環境配慮の取組を進めています。

省エネは利益を犠牲にしてするものではなく、「同じコストなら環境負荷の低い方法を選ぶ」という考えが基本です。生ゴミの減容、遮光や太陽光の導入、LEDへの切替え、高効率ボイラーへの入替え、デマンド管理といった現実的な取組を積み重ね、「無駄をなくす」ことを徹底。漬物屋としての現場でもできる省エネ、CO2削減の具体例を示し、地域に根ざした省エネ/脱炭素経営を続けています。

京都、亀岡の自社農園で土から丹念に育てた野菜を中心に手間暇かけた素材のみを使用している
京都、亀岡の自社農園で土から丹念に育てた野菜を中心に手間暇かけた素材のみを使用している
現実的な取組を積み重ね、地域に根ざした省エネ/脱炭素経営を行う
現実的な取組を積み重ね、地域に根ざした省エネ/脱炭素経営を行う

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近畿経済産業局 公式note