住宅・商業施設どちらも手掛ける 質の高い開発でまちを再生

日本エスコンは、1995年の設立以来、分譲マンション事業を軸に商業施設の開発や賃貸不動産、物流施設の開発など、多様な領域へと事業を拡大してきた。量より質を求め、常に付加価値の高い事業領域へ挑み続けてきた同社の成長の歴史や今後の事業戦略を聞く。

伊藤 貴俊(日本エスコン代表取締役社長)

創業から今年で29期目を迎える日本エスコン。バブル崩壊後に誕生した多くの新興デベロッパーの1つとしてスタートした。同時期に創業した独立系の不動産会社は、どちらかと言うと営業中心のビジネスモデルをとる企業が多かった。これに対し、開発や企画を核にしたデベロッパーを作りたいと設立されたのが、日本エスコンだ。

独立系不動産デベロッパー
開発力と魅力的な物件で勝負

社長の伊藤貴俊氏は「建築技術スタッフや用地開発スタッフに経営資源を投下し、営業力より商品力で評価していただける会社を作っていこうというのが、当社のDNAとして脈々と受け継がれてきています」と話す。

その後、2008年にリーマンショックが起こり、不動産業界にも激震が走る。日本エスコンと同時期に創業した不動産デベロッパーの多くが経営破綻に追い込まれた。

「ファンドバブルと言われた2006~7年、不動産を買って価値を高め、転売するというビジネスが活況でした。実業というよりは投機的な傾向が強いビジネスモデルを選んだ会社は、リーマンショックで存続できなくなっていきました。日本エスコンにとっても会社存亡の危機でしたが、それを乗り越えることができたのは、いいものを作る想い、ものづくりの精神が強かったからだと考えています」。

高額商品を扱う不動産事業は景気変動の影響を受けやすい。そうした中で重要となるのは、デベロッパーとしての開発力とともに、開発用地を取得し、デザイン性に優れた高性能な建物を建築できる資金力だ。開発力と財務力の掛け算が、デベロッパーが企業として収益力を持てるかを左右する重要な要素となる。

日本エスコンは2018年8月、中部電力との資本業務提携を実現した。圧倒的に信用力の高い会社のグループに入ったことで、大きな資金力を得、今まで以上に挑戦できる環境が整ったと伊藤氏は考えている。

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