循環型・脱炭素社会の実現へ 電気炉で鋼材の地産地消を目指す
1934年の創業以来、電気炉メーカーとして国内の鉄スクラップを多様な鉄鋼製品へリサイクルしてきた東京製鐵。高炉鋼材に比べCO2排出量の少ない電炉鋼材の特長を生かし、再エネ利用でCO2排出量をゼロに近づけた低CO2鋼材「ほぼゼロ」の販売を開始。資源循環と脱炭素の2軸で、社会課題の解決に挑む。

奈良 暢明(東京製鐵 取締役社長)
様々な鋼材を電気炉で製造
国内の貴重な鉄資源を循環させる
創業以来、鉄スクラップのリサイクルで、日本の製造業と資源循環を支えてきた東京製鐵。現在、宇都宮工場(栃木県宇都宮市)、田原工場(愛知県田原市)、岡山工場(岡山県倉敷市)、九州工場(福岡県北九州市)に4つの工場を持ち、年間約320万トン(国内2024年度)の粗鋼を生産。電気炉メーカーとしては、国内最大の生産量を持つ。
愛知県田原市の田原工場は、大規模な太陽光発電設備を備え、自動車や電機で使用するホットコイルなどを生産している
日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所といった高炉メーカーに比べ、電気炉メーカーは比較的規模が小さい。工場の周辺から原料である鉄スクラップを集めて製品を製造する、地域型産業だと言える。
「一方で、当社の特色の1つは、製品の品種が多いことです」と、東京製鐵社長の奈良暢明氏は説明する。
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