横浜市がデジタル・デザイン室を新設 デザイン思考で自治体DX

長年政策にデザインを導入してきた横浜市が、次の時代を見定めたDX戦略を策定した。 デザイン思考を基軸としたのが特徴で、4月から「デジタル・デザイン室」を新設した背景など 戦略の骨子を、横浜市デジタル統括本部長の下田康晴氏に聞いた。

(文・矢島進二 日本デザイン振興会 常務理事)

 

下田康晴(横浜市 デジタル統括本部長)

近頃「政策のデザイン」といったワードを仄聞するし、デザインの対象領域が拡大しわかりづらいといった意見をまだ聞く。しかし、半世紀前の1971年に横浜市が「都市デザイン室」を新設し、市民参加の街づくりの仕組みやビジョン策定を「デザイン」と称し、役所の組織名にしたことはあまり知られていない。

当時は高度経済成長期の終盤で、横浜市の人口は急増し急激な都市化の計画段階だった。「都市デザイン室」は、都市づくりに機能性や経済性などの価値観と、美しさや楽しさなどの美的価値を調和させ、21世紀型モデルを牽引した。その象徴であり一つの成果が未来型都市「みなとみらい21」と言えよう。これだけ長期的視点に立ち統合的な都市デザインを形成した例は類を見ない(一連の都市デザインは2006年度グッドデザイン金賞受賞)。

横浜市は4月1日付けでデジタル統括本部に「デジタル・デザイン室」を新設した。「都市デザイン室」で成し得たハード面の整備の上に、市民や地域の新たな豊かさに繋げるインフラとしてソフト面を重層化させたものと言えよう。

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