時事テーマから斬る自治体経営 「行政評価」の注意点

多くの自治体が行政評価に取り組んでいるが、何をどういう基準で評価していくかは非常に重要な問題だ。評価する対象や、評価する期間が適切でなければ、正しい判断はできない。また、地域活性化など、その目的によっても適切な評価基準は変わってくる。今回は行政評価の注意点を説明する。

地域活性化や人材育成などは、行政評価の対象分野から外した方がよいと考える。その理由は、地域活性化や人材育成などは、短期的には成果が出ないことが多いからである。また、政策研究の分野も、行政評価の対象にしない方がよいだろう。

もちろん、全く評価しないのは問題である。ある程度の期間(理想は5年以上)を一単位として評価する法がよいと考える。さらに言うと、法定受託事務も行政評価の対象から外してもよいと思う。法定受託事務は、自治体の創意工夫を凝らせる余地は少ない。評価結果がどうであれ、淡々と実施するしかない。法定受託事務の行政評価の結果が「縮小」となっても、当然、縮小することはできない。

以上が、筆者が考える行政評価を進める際の注意点である。

行政評価とは何か

簡単に行政評価の意味を確認する。多くの自治体が行政評価に取り組んでいる。地方創生を推進するための行政計画に「地方版総合戦略」がある。同戦略には「重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)」がある。KPIは各施策の進捗状況を検証するために設定する指標を意味する。これも行政評価の視点である。

図表1を参考に行政評価を定義すると、「自治体が実施している政策(施策や事業を含む)を評価することにより、予算や次の政策に反映し、継続的に政策の改善を促す取組」と言えそうである。

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