三福海苔 海苔師と消費者をつなぎ、食卓に笑顔を届ける
日本有数の海苔産地で50年以上の歴史を紡いできた三福海苔。海苔の加工・販売会社としていち早くダイレクト販売に舵を切り、2009年からは海外輸出も開始するなど、常に時代の先を見据えて事業を展開してきた。事業承継を2026年に控え、経営理念・ビジョンを新たにした同社の構想に迫る。
左より、三福海苔株式会社 専務取締役 川原崚氏、代表取締役 川原常宏氏
通販が普及する前に、消費者と
ダイレクトにつながる方法を確立
日本有数の海苔の生産地・佐賀県のなかでも、生産量・品質ともにトップクラスの川副町で1971年に創業した三福海苔。海苔の生産者が、オフシーズンに味付海苔や焼海苔の行商販売を行っていた当時、行商向けの加工屋として事業を開始した。現代表で2代目として事業を引き継いだ川原常宏氏は、「今はよくても、行商向けの事業のみでは10年後は続かなくなるだろう」と考え、消費者と直接つながるダイレクト販売へ1994年に舵を切った。「これからは産地直送」だと、Windows3.2の時代にパソコンを導入し、友人のシステム開発会社の力を借り、独自の顧客管理システムを開発。同時に会計や給与なども含めた会社の事務処理の全てをデジタル化していった。その後、自前でECサイトを開設する。
「まだ通販やインターネットが普及していない時代に、一般消費者とダイレクトにつながってうちの商品を購入いただくためにはどうすべきか、どうしたらファンになってもらえるかを考え、お客様との距離を縮めることを突き詰めてきました」
同社は独自開発したシステムを活用し顧客情報をデータ化し、リピーターには過去の利用履歴を確認しながら対応することで、顧客側に会社を身近に感じてもらうことに成功。また、注文者の好みに合わせて自由に組み合わせができる商品づくりや、美しくデザインしたパッケージによって、顧客の心を着実に掴んでいった。
全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。
-
記事本文残り75%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。