循環する仕組みづくり サステナブルなベーカリーを目指す
創業76年の老舗ベーカリー「ケルン」が、パン作りを通じた社会課題解決を目指して動き出した。エシカル消費型店舗の開発、フードロス削減と社会的弱者支援につながる販売システムなどを開始。地域の繋がりを大切にしながら、行動し続ける3代目社長・壷井豪氏の原点に迫った。
聞き手 : 鏡 晋吾 事業構想修士
1946年11月に創業し、神戸市内で8店舗の直営店を構えるベーカリー「ケルン」。給食用パンの製造業である壺屋製パンからスタートし、1976年に社名を株式会社ケルンに変更した。対面、テイクアウト型という当時はまだ一般的ではなかったスタイルで店舗展開をし、地元市民から長く愛されている。その3代目社長である壷井豪氏が「廃棄されるパンが売れることで、環境問題や社会問題の解決に連鎖的につながるシンプルな仕組みを作りたい」との思いで、フードロス削減と同時に社会的弱者への支援が可能となる販売システム「ツナグパン」を2021年12月に開始。同年にはエシカル消費型の新店舗「日々ケルン」を開発した。
消費を通じて社会に貢献
できる仕組み
売れ残ったパンの中から食中毒リスクが低く傷みにくいパンを10〜20個、「ツナグパン」オリジナル紙袋にアソートし、製造翌日の開店から閉店まで販売する。ツナグパン購入者にはケルン全店で使える「エシカルコイン」(100円相当)をプレゼント。併せて、ケルンが支援する兵庫県下の福祉施設を介して同額のエシカルコインを支援対象の方にも送る。 ツナグパン購入者も支援対象の社会的弱者の方も区別なく、自由にケルン全店で「エシカルコイン」を使用したパンの購入が可能となる。
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