地域のモビリティ領域の課題を見極め、産業横断的に解決を

テクノロジーの進化が、人・モノ・サービスの移動(モビリティ)に大きなインパクトを与えつつある。自動運転やMaaS(Mobility as a Service)、ドローン宅配などの実証実験が各地で検討・実施されているが、スマートシティやスーパーシティにおいて次世代モビリティを実現するためには、何が重要なのだろうか。

小見門 恵(KPMGモビリティ研究所 所長)

あらゆる産業分野を含む次世代モビリティ

“Future Mobility”をテーマに「モビリティエコシステムの将来像を研究する取組み」をグローバルに展開するKPMGモビリティ研究所。所長の小見門恵氏は「モビリティは人だけでなく、モノやお金、サービスの移動という部分にも広く関わってきます。自動車や公共交通をはじめ、流通・小売・不動産・エネルギー・通信・医療・金融など、あらゆる産業分野で大きな変革が起ころうとしています」と語る。

先端技術を活用してさまざまな社会課題を解決し、社会の在り方を根本から変える未来都市をつくるというのが、スマートシティやスーパーシティ構想の大きなコンセプトだ。モビリティ領域の課題では、例えば都市部では住民はあまり不便を感じていないものの、外からの来訪者には複雑でわかりにくいというものがある。

「一方、地方では自動車を活用できる人はさほど不便はありませんが、高齢者や若年層などの交通弱者にとっては非常に不便だという課題があります。都心部と地方で大きく要素や動きの異なる課題を、最新のテクノロジーでいかに解決していくかが重要です」

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