学生団体が進めるヘルスケアデータ活用 健康課題の解決策を探る

共創チャレンジと共創パートナーがタッグを組んで理想とする未来社会を実現する「TEAM EXPO 2025」。共創チャレンジの1つである、医療系の学生を中心とした学生団体「inochi WAKAZO Project」は、提供されたヘルスケアデータを治療法の開発などに生かす取り組みを進めている。

聞き手 : 小宮信彦 事業構想大学院大学 特任教授、電通 ソリューション・デザイン局 シニア・イノベーション・ディレクター

医療系学部で学ぶ大学生を中心に結成したWAKAZOでは、誘致段階から積極的に万博に関わってきた

小宮 「inochi WAKAZO Project」はどのような団体で、どんな活動をしているのでしょうか。

木島 大阪大学の医学部生が2015年に立ち上げた学生団体が母体です。医療系の学生を中心とした大学生が大学の枠を超えて集い「若者の⼒でいのちを守る社会を創る」をミッションに掲げています。大学生が、中高生・高専生のメンターになり、ヘルスケア課題をともに解決していくプログラム、inochi Gakusei Innovators’ Program(以下i-GIP)を活動の1つとして行っています。例えば心臓突然死の場合、まず救急車を呼んだり、AEDで手当てを行うのは市民の方々。病院だけでは守れないいのちがあると考えており、市民に近いアプローチでどのようにいのちを救えるかなどをテーマに解決策を創出してきました。

i-GIPとは別に、2016年に、大阪・関西万博誘致に向けた「若者100の提言書」を大阪府知事に提出したことがきっかけとなり、inochi WAKAZO Project団体内で万博に向けて活動するWAKAZOが発足。日本代表団の一員として万博招致プレゼンも行い、2020年には「inochiのペイフォワード」構想を発表しました。若者ならではの発想で、アカデミアと医療者、そして企業の懸け橋となって、i-GIPとWAKAZO二つの方向から新たなヘルスケアの未来を創っていきたいとの思いで活動に取り組んでいます。

小宮 それぞれが「inochi WAKAZO Project」に参加したきっかけは。

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