「芸能一家」の重圧をシフトチェンジ 映画監督・安藤桃子の哲学

映画監督として、また、脚本家としても、早くから頭角を現して活躍してきた安藤桃子。『今、日本で最も有名な芸能一家の長女』という一面も持つ。多感な時期は複雑な思いも抱えて生きていたというが、メディアなどで自らの家庭環境について語る内容は赤裸々かつ、ユーモア満載。まさに映画そのものだ。愛に溢れる環境で育まれた安藤の独自の視点や大らかな思想に触れる。

文・油井なおみ

 

安藤 桃子(映画監督)

少女期、社会の価値観から逃れ
自分と向き合うために日本を離れた

俳優であり映画監督でもある奥田瑛二氏とエッセイストでコメンテーターの安藤和津氏の長女として生まれ、妹は女優の安藤サクラ氏。生まれたときから“有名人の娘”として育つのは、楽しいことばかりではないだろう。むしろ、窮屈さが勝るのではないか。

「自分の家は他の家と違うのかな?と最初に違和感を覚えたのは、外の世界との関わりを意識しはじめた5歳くらいから。今振り返ってみると、“社会の目によるジャッジメント”を敏感に感じ取っていたのかも。現代社会は何でもジャンル分けすることが多いように思います。カテゴライズすることで、その範囲を守っているように見えますが、実は、分類分けするに従って、心は分断され、一体感を見失うんじゃないでしょうか。誰が言い始めたのか不明な情報に振り回され、漠然とした社会の価値観や尺度で図っていることも多いと感じます」

安藤自身、幼い頃から他人の目を意識し、多感な時期を“芸能人の家の子”という、いわゆる“社会の価値観”に振り回されてしまったという。

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