【第4回】 世紀の名盤『Kind of Blue』マイルス・デイヴィス part.1

歴史上、数えきれないほどのイノベーションを起こしてきた「アーティスト」という存在。天才たちの作品と活動の変遷を辿り「革新」の本質に迫る連載企画。今回は、音楽史上もっともイノベーティブなジャンルといえるジャズをテーマに、アーティスト思考の原点に回帰する。

Miles Davis In Germany (編集部注)1959年に撮影された、心なしか物憂げな表情を浮かべるマイルス。『Kind of Blue』という言葉は「憂鬱な気分」というニュアンスでも解釈できる。

アーティスト思考の原点

音楽の長い歴史の中でも、もっとも激しい変化が起こったジャンルといえばジャズだと思います。ジャズは私のバックボーンであり、その変遷を辿るとビジネスの観点でもたくさんの気付きが得られます。今回はその中でもとりわけ多くのイノベーションを起こし、今もなお絶大な影響力を持つ男、「帝王」マイルス・デイヴィスに焦点を当てます。彼は私がアーティスト思考を体系化していく際の原点であり、イノベーションの観点でもっともわかりやすいミュージシャンといえます。

世紀の名盤たる所以

ジャズの発祥は1900~1920年ごろのニューオーリンズといわれています。誕生以降、経済発展や戦争といった様々な時代背景とともに変化してきました。大衆娯楽からアートとして変化していく過程は拙著『直感・共感・官能のアーティスト思考』で詳述していますが、大変興味深いものです。

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