「ナスコンバレー」の挑戦 未来社会へのソリューションを共創

栃木県那須町の「NasuconValley(ナスコンバレー)」は、21世紀型社会に求められるソリューションの共創・実証実験・社会実装の場だ。設立時の代表理事の井上高志氏と設立時理事の鉢嶺登氏に、その活動や日本における社会課題の解決、今後の抱負について聞いた。

井上 高志(LIFULL 代表取締役会長)

井上高志氏は、日本最大級の不動産・住宅情報サービスサイト「LIFULL HOME'S(ライフル ホームズ)」などを運営するLIFULLの代表取締役会長だ。LIFULLはソーシャルエンタープライズとして「あらゆるLIFEを、FULLに。」というコーポレートメッセージを掲げ、事業を通じて社会課題の解決を目指している。

鉢嶺 登(デジタルホールディングス 代表取締役会長)

鉢嶺登氏はデジタルマーケティング支援やDX支援を通じて企業の事業成長を支援する、デジタルホールディングスの代表取締役会長を務める。デジタルホールディングスは「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」をパーパスに掲げ、ヒト・モノ・カネ・情報というすべての経営資源の至るところで、IX(産業変革)実現に向けてデジタルシフトを推進している。

先端技術の実証が可能な
まちづくりを那須で

田中 2021年10月に、一般社団法人ナスコンバレー協議会が設立された経緯や、那須で感じる地域の価値について教えてください。

井上 元々、起業家仲間で日本駐車場開発代表取締役社長の巽一久さんと鉢嶺さんが、ワーケーションの場所として那須を選定されていました。東京ドーム170個分の私有地や、アスファルト舗装された道路の延長距離が85km以上ある場所です。

日本には沢山の優れた技術があり、自動走行運転のほか、ドローンで人を運ぶことも実現可能なレベルに来ています。しかし、数々の規制や猥雑な手続があって実証実験のハードルが高過ぎ、社会実装ができず、宝の持ち腐れになっています。私はこのような状態を打開したく、自由に社会実装の実験ができる場所を探していました。

そこで巽さんや鉢嶺さんに、那須でできないかと話して始めることになり、2021年10月にナスコンバレー協議会を設立しました。様々なテクノロジーを実験し、人間がウェルビーイングになるまちづくりを目指します。沢山の会社と共にオープンイノベーションで、そういう未来を作り上げたいです。

鉢嶺 那須は東京から新幹線で1時間10分と比較的近く、アミューズメント施設が多数あるほか、御用邸もあり、土地柄も非常に良いのが特長です。コロナ禍にはさまざまな業界でテレワークが一般化したため、ここにIT企業やベンチャー企業を沢山呼ぶプログラムをつくって誘致しました。

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