北見市・アナログとDXの両輪 誰一人取り残さない窓口業務改革

北海道東部に位置する北見市。2006年、旧・北見市が周辺3町と合併し、北海道ではもっとも広く、全国でも4番目に広い自治体となった。ここで実施されているのが、「書かないワンストップ窓口」。住民サービスの維持向上と職員の負担軽減も達成したこの取組を、自治体DXセミナーにおける講演から紹介する。

吉田 和宏 北海道北見市 市民環境部 窓口課 管理係長

「北見市では、市役所本庁舎のほかに、合併前にそれぞれあった3つの町役場を総合支所とし、かつ、5つの支所出張所を置いて住民サービスの向上に努めています」と話すのは、北見市の吉田和宏氏だ。この広大な自治体では、厳しさを増す行政業務の中、住民サービスをどう維持向上させるかという課題を解決するべく、この10年来様々な取組が行われてきた。

市民の手間を減らす業務改善
行革甲子園でグランプリ受賞

それらが評価され、2016年には、愛媛県が主催した「行革甲子園2016」でグランプリを受賞。「これは、現在の『書かないワンストップ窓口』の前身とも言える『かんたん証明申請』という仕組みを構築したことが評価されました」と吉田氏。「かんたん証明申請」とは、まず職員が自作したツールを利用し住民と一緒に申請書を作成しながら、必要事項が印字された書類を印刷。住民は名前を書くだけで申請が終わり、同時に集計作業を可能とする仕組みのことだ。その後この仕組みを本格的にシステム化し、さらにワンストップでの対応を可能とするため、窓口支援システムを開発。完成したシステムを2016年に導入し、窓口での対応を強化した。書かないだけでなく、ワンストップも組み合わせた取り組みが評価され、2022年には夏のDigi田甲子園の実装部門で第3位に。その間、デジタル大臣やデジタル庁からの視察も受けるなど、注目を集めている。

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