時事テーマから斬る自治体経営 「地方創生」の注意点

2014年以降、国と地方自治体は地方創生に注力してきたが、新型コロナ対策に加えて、SDGsやSociety5.0、DXなどへの新たな取り組みも求められる中、近年、地方創生への取り組みがトーンダウンしつつあるという。地方自治体は地方創生をどのように捉え、何に注意して進めていけばよいのだろうか。

地方創生という4文字には様々なニュアンスが含まれているように感じる。

地方創生は、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が担当であった。同本部の英語表記を見ると「Head quarters for Overcoming Population Decline and Vitalizing Local Economy in Japan」とあった。最初の「Headquarters」は「本部」という意味である。そして「Overcoming Population Decline」は「人口減少を克服する」と訳すことができる。後半の「Vitalizing Local Economy in Japan」は「日本の地域経済に生命を与えること」と考え、「地域経済の活性化」と意訳できる。すなわち、地方創生とは、①人口減少の克服と、②地域経済の活性化、の2点に集約できる。

今回は前者の「人口減少の克服」に関しての注意点に言及する。

トーンダウンする地方創生

図表1は、主要4紙(朝日、産経、毎日、読売の各紙)における地方創生に関する記事の推移である。2016年以降は、地方創生の記事は低減しつつある。

図表1 主要4紙における1年間の「地方創生」に関する記事の推移

出典:@nifty「新聞・雑誌記事横断検索」

地方創生への関心が全体的に薄くなりつつあると言えるだろう。その理由の一つに、地方創生の成果があがらないことがある。図表2は、第1期地方創生の成果である。図表2の解釈は立場により異なるだろう。今回取り上げている人口減少の克服に関して言うと、全体的にはいい成果は見られない。子どもの数は減少しつつあり、改善の兆候が見えない。

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