第5回 COP26でも注目、農業・食品産業と森林の意外な関係

環境領域のシンクタンク・地球環境戦略研究機関のメンバーと脱炭素時代の事業環境を考える本連載。先月のCOP26では「森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」が発表され、注目を集めた。森林減少問題は一部の業種の課題に思えるが、実は私たちの食生活に深くかかわっている。

山ノ下 麻木乃(公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES) 生物多様性と森林領域 ジョイント・プログラムディレクター)

農業・食品産業と森林減少

――世界的に森林が減少していることは多くの方がご存知と思いますが、現状はどうなっていますか。

世界の森林は減少し続けており、毎分、サッカー場27面分の森林が失われているといわれています。従来は森林地域の住民が食糧や収入を増やすためと考えられてきましたが、衛星によるリモートセンシングが発達したことで、商業的な大規模農業による開拓が森林減少の大きな原因であると明らかになっています。かつて森林に覆われていた、地球上で人間が利用できる土地の半分は、すでに食料生産のための農地・牧草地に転換されました。都市化が森林破壊の要因という印象があるかもしれませんが、地球上で都市が占める面積はわずか1%です。

商業的な農業および食料生産の影響は、特にマレーシア、インドネシアを中心とした東南アジア、またブラジルで顕著です。リスクの高い商業作物として、東南アジアではパームオイル、木材、紙パルプ、ブラジルでは大豆と牛肉、そのほかの作物としては、コーヒー、カカオ、ゴムなどがあります。日本の私たちが口にする食品は世界各地で生産されており、その中には森林を破壊して生産されているものもあるということです。

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